今回はダイアモンドに内包されている「クラウド」と呼ばれるインクルージョンをご紹介したいと思います。
インクルージョンというと、クラリティーグレードに影響するよくないイメージをお持ちの方もいらっしゃると思います。しかし顕微鏡やルーペを使用して観察すると、非常にユニークな色・形をもつインクルージョンを発見することがあります。そのようなインクルージョンを目にしたとき、私たちはクラリティ グレードでは計ることのできない魅力をその石に感じます。
「クラウド」とは個々には識別できないほど小さい結晶が集まって、まるで雲のようにみえるインクルージョンのことです。「クラウド」は、とりとめのない形のものから六面体、八面体、あるいは二十四面体など実にさまざまな形状でダイアモンド内に存在します。

図1. テーブル中央の縦に重なる八面体から四枚の花弁が広がるまるで花のようなクラウド。

図2. 図1.をさらに拡大した写真。6個のクラウドが立体的に重なり広がる様子。
図1. 図2.はAGTジェムラボラトリーにグレーディング依頼があった2.04ct.のダイアモンドの顕微鏡拡大写真です。テーブル中央の二つの角砂糖のようなクラウドが縦に重なり、上段のクラウドから四方向に花弁のようなクラウドが伸びている様子を確認することができます。6個のクラウドから成るその全体像はまるで一輪の花のようです。このダイアモンドはSI2、ファンシー ダーク グレーとグレーディングされました。魅力的なクラウド、そして私たちが感じる宝石の神秘がこのダイアモンドを特別なものにするのではないでしょうか。
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